【C2PA】将来性と使用ケースを考える【AI vs リアル】

こんにちは、フリーランスエンジニアの太田雅昭です。

C2PA

C2PAは画像や動画、ドキュメントなどに埋め込むデータ規格です。署名技術が用いられており、改ざんできない仕組みとなっています。

C2PAの弱点

C2PAは改竄を防ぐ仕組みですが、下記のような弱点もあります。

  • 改ざんできないが、消すことはできる

つまり、C2PAデータを削除し、新たに追加してあたかも自分がルートであるかのように主張することが可能となります。具体的には下記のようなケースです。

  • ChatGPT生成画像のC2PAデータを削除し、Photoshopで保存。あたかも自分が作ったかのようになる
  • 誰かのカメラ撮影写真のC2PAデータを削除し、Photoshopで保存。以下略

こうしたことから、基本的に改ざん負荷の部分はあまり使い物にならなさそうです。

実用的な使用方法

そこで、下記のような使用方法が考えられます。

  • 誰かに盗用されたときに、自分のC2PAデータを用いて権利を主張する

C2PAにタイムスタンプを持たせて、自分が過去に該当コンテンツを撮影・所有していたことを主張するケースです。これが、一番実用的な使用方法かと思います。例えば

  • C2PAデータの入った写真に、自身の名前や撮影日時が入っている。盗用されたときにSNSや裁判などで、それを用いて主張する
  • 自分で描いたイラストに、編集履歴がC2PAデータで入っている。盗用されたときに以下略

ただ恐ろしいのは、仮にC2PAを利用していない場合、相手側にC2PAを偽装されるケースです。こうなると泥沼化しかねません。自身を守る意味からも、普段からC2PAデータを埋め込む癖をつけるのが、今後の最低限の防衛策になりそうです。仮に写真なら、C2PA対応カメラを持っていなかったとしても、タイムスタンプ記録のために何かしらのC2PAデータを埋め込んでおいた方がいいかもしれません。

便利なサイト

こうしたC2PAによる自身の権利主張に、便利なサイトがあります。

Snappy Proof

https://snappyproof.app/ja/proof

上記サイトでは、C2PA付き写真をアップロードすると、判定してくれます。さらにSNSシェアもできるため、使い勝手は良さそうです。